症例報告

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症例報告

2013年、第15回 日本臨床獣医学フォーラム 年次大会のポスターセッションにて優秀賞を受賞しました。

プロフィール

○8歳齢 去勢雄 ゴールデン・レトリーバー
元気食欲の低下、腹囲膨満、呼吸促迫を主訴に来院しました。

臨床検査所見

  • 血液検査では大きな異常はみられませんでした。
  • 心臓の超音波検査で心嚢水(心臓の外側の膜に液体が溜まる状態)と腹水の貯留が認めらたため、抜去を行いました。(右図)
  • 心臓は心嚢水の貯留と右心房の虚脱が認められ、心タンポナーゼになっていました。

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心エコー検査
左矢印は貯留した心嚢水 右矢印は心膜

治療と経過

  • 第21病日に腹水が再増大し、内服薬での治療をしましたが腹水は減少しませんでした。
  • 第96、109、124、144病日に心タンポナーデを再発したため,心膜穿刺(心嚢水の抜去)を行いました。
  • 第152病日に64列マルチスライスCT装置によるCT検査を実施しました。CT画像上心膜の肥厚(右図)が認められ、収縮性心膜炎が疑われました。
  • 心嚢水が溜まると心臓に負担がかかり命の危険があるため、第157病日に部分的心膜切除術(開胸して心臓の膜の一部を切り取る手術)を行いました。

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胸部CT画像
矢印は約2mmに肥厚した心膜

診断

滲出性収縮性心膜炎
心膜は2mmほどの厚みがあり,病理組織検査で心膜の線維性肥厚が認められたことから,本症例を滲出性収縮性心膜炎と診断しました.右の写真は切除された心膜の切断面で、重度に肥厚しているのが分かります。

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胸部CT画像
矢印は約2mmに肥厚した心膜